煮干のカルシウム、ホウレンソウの鉄は脳内の情報伝達を活発にする

8月 12th, 2009

にぼしカルシウムというと「骨」を連想しがちですが、実は脳にも欠かせ凄い栄養素です。
カルシウムは人間の体内にもつとも多く存在するミネラルで、その99パーセントは骨や歯にあります。しかし、脳の神経細胞にも0.1パーセントと、ごく微量のカルシウムが存在し、脳内の情報伝達活動に大きな働きを果たしています。この微量なのに不可欠な脳のカルシウムが不足すると、脳はまず血液中から、次に骨や歯から、何とかカルシウムを調達して、情報伝達をスムーズに行おうとします。ところが、子どもの骨も歯も成長中ですから、自分のことで手一杯なのです。

そもそも幼児で1日500ミリグラム、学童では600~700ミリグラムと、子どもは大人以上にカルシウムを必要としています。この時期のカルシウム不足は脳にもカラダlこも深刻なので、煮干や干しエビ、イワシの丸干しや牛乳といった食品で、カルシウムを 日常的に摂るようにしましょう。

また、血液中の鉄分が不足する、いわゆる貧血も、脳に供給される酸素の不足を引き起こします。脳はブドウ糖をエネルギーに変える際、酸素を使いますが、この酸素の運搬役をつとめるのが血液中の「ヘモグロビン」です。その成分となる鉄分が不足すると、ひいてはブドウ糖もエネルギーに変われないことになります。

つまりせっかく朝ごほんを食べてブドウ糖を摂っても、脳のパワーにならないために、脳はまたもやガス欠状態に陥ってしまうのです。

とくに胎児期を含めた脳の発達初期の鉄不足は、どんなにあとから鉄を補給したところで改善されず、深刻な脳の発育不良を引き起こすといわれます。とりわけドーパミン系、セロトニン系、ノルアドレナリン系の神経伝達機能が低下することがわかっています。

たとえば、母親の胎内に鉄分が欠乏した状態で育った子どもの5歳時点での「脳力」を調べると、「言語能力」「運動能力」「従順さ」において、鉄分を十分摂った母親から生まれた子どもより劣るとした調査があります。また、新生児期に鉄不足状態にあった子どものその後を追った調査でも、貧血経験児童はすべての成績で劣り、情緒不安まで抱えていることがわかりました。かといって、赤ちゃんに鉄剤を与えることもできないので、妊娠中・授乳中のお母さんは、鉄分をなるべく摂るよう心がけましょう。

鉄分には、レバーなど肉類に含まれる「ヘム鉄」と、ホウレンソウなど野菜に含まれる「ノンヘム鉄」があります。このノンヘム鉄はポリフェノールによって吸収が抑制され、逆にビタミンCによって促進されるという特徴があります。またポリフェノールはドーパミン受容体の働きに関わる「亜鉛」の吸収も抑えてしまうので、食事の際の飲み物はポリフェノールを多く含むお茶より、水やビタミンCの多いジュースがおすすめです。

苦手なホウレンソウを頑張って食べても、お茶を飲んでしまったら水の泡で、鉄分も、亜鉛も、その摂り方が肝心なのです。

水分補給にはお茶より水やジュースを

4月 3rd, 2009

 ポリフェノールを多く含む「豆類・ナッツ類・ゴマ類」、カフェインの多い 「コーヒー」はもちろん、かの有名なカテキンを含む「緑茶」や「紅茶」「ウーロン茶」といったお茶類、そして「ココア」 や「チョコレート」も、摂りすぎには慎重になるべきです。

 子どもには十分な水分補給が欠かせませんが、お茶よりは水やビタミン類の多いジュースを与え、寒い日にはココアよりホットミルク。おやつはタンパク質を含むクッキーやプリンで糖分の効果的な補給を図り、チョコレートを食べたかったらチョコはチョコッと。

 緑茶の緑、赤ワインの紫など、ポリフェノールは植物の色素に含まれることが多く、チョコレートの茶色はエビカテキンです。チョコレートの原料・カカオには「エビカテキン」という抗酸化物質が含まれ、その量は緑茶の四倍もあります。子どもが食べるならエビカテキンを含まないホワイトチョコレートのほうがまだよいといえます。

 最近では黒ゴマなど「黒い食べ物」紅大人気ですが、子どもにはあまりおすすめできません。黒っばい食品=大人にはよくても、子どもはほどほどにと考えるといいでしょう。

 ただしポリフェノールは、米や野菜や果物など、それこそ植物出身の食品全般に含まれる物質なので、「絶対摂ってはダメ」とヒステリックになるのではなく、「なるべく摂りすぎないようにする」 のが賢明な態度です。

 大豆食品にしてもそう。大豆は「畑のお肉」とも称されるように、植物怪でありながらアミノ酸バランスの面でも栄養効率の面でも、肉類にも匹敵するほどの良質なタンパク質を含みます。その「恩恵」 にはあずかりながら、「害」はなるべく遠ざけるのが、どんな食材にも通ずる賢い食べ方なのです。子どもが食べるなら納豆より豆腐、でも納豆だって少し食べるくらいはOKというように、大らかに考えましょう。

 よほどの有害物質を含まない限り「ひとかけらでも口に入れたとたん、病気になる・死んでしまう・脳が育たなくなる」などという食品は、少なくとも自然界にはそうはありません。だから食べるものはなるべく自然の「生き物」から摂ったほうがいいのです。

 植物性にしろ、動物性にしろ、私たち人間がこの地球に同じく生きる「いのち」をいただきながら生きる以上、その植物には植物なりの、動物には動物なりの、事情や「いいところ・悪いところ」があって当たり前。そこを踏まえたうえで、なるべく子どもにとって「いい栄養」を、冷静に選ぶことが、親のつとめなのです。親たちが神経質になりすぎて「食べるのが大嫌いな子」 になってしまったら、元も子もありません。

カレーの食べすぎが注意欠陥・多動性障害の原因に?

3月 4th, 2009

 子どもに人気のメニューといえば、今も昔もカレーライス。昔からは考えられないほど口の肥えたグルメ時代の子どもにして、やはりカレーは好物の王道なのです。

 ただし、食べすぎはいけません。肉や野菜をたっぷり食べられて、ごほんも進むカレーは、確かに栄養バランスからしても悪くないのですが、問題はカレー粉、スパイスです。

 インドはもちろん、気温も湿度も高い亜熱帯地域などでは、スパイスは食欲を増進させるだけでなく、体内活動を活性化させ、食中毒を防ぐ、なくてはならないもの。薬として扱われるスパイスさえあります。日本でも「スパイスは代謝を上げてダイエットにいい」「カレーを食べるとボケない」などといわれ、実際、カレー粉に含まれる「サルチル酸」や「クルクミン」には「アルツハイマー病」を防止する効果が報告されています。

「サルチル酸」はポリフェノールの仲間にあたる「フェノール酸」の一種で、ポリフェノール同様「抗酸化作用」があります。また、アスピリンの合成材料に用いられるように「解熱」「鎮痛」「抗炎症作用」があり、近年ではアスピリンを常用している人にアルツハイマー病や大腸癌、動脈硬化などの心臓血管病が少ないことから、サルチル酸はこれらの予防にも効果があるとして、目下研究が進められています。

 サルチル酸はリンゴやキウイ、イチゴやブドウなどの果物、カリフラワーやブロッコリー、キュウリやナスなどの野菜、醤油やソース、酢にも含まれますが、とくにカレー粉には多いのです。果物や野菜に含まれるサルチル酸は100グラムあたり数ミリグラムですが、カレー粉は200ミリグラム以上。仮にアスピリンを常用して大腸癌を防ごうとしたとき、毎日飲まなければならない量が、カレー粉50グラムに含まれる計算になります。

 ですから大人はボケ防止、成人病防止のために、どんどんカレーを食べるべきだとする研究者もいるのですが、これが子どもの場合、サルチル酸にアレルギー反応を示す例が少なくないのです。アスピリンに対しても同様の症状を示す子どもがいますが、「職息」「頭痛」「じんましん」「手足の浮腫」「胃痛」、悪くすると「血圧低下」「意識不明」を引き起こす「アナフィラキシー」という状態に陥り、死に至ることすらあります。

 アメリカでは子ども用にサルチル酸を除いた食品が販売されていて、「注意欠陥・多動性障害」 の子どもにこれらの食品を与えると症状が改善したとの報告もあります。
「今日はカレーよ」というと子どもは大喜び。だからこそ、わが子の「カラダの反応」もよく観察しながら、カレーはあくまで「特別な日」 に楽しむようにしましょう。

大豆が男の子を女の子化させる?

1月 10th, 2009

 大豆に含まれるポリフェノールは、女性ホルモン 「エストロゲン」と構造が非常に似ていて、「豆腐を食べると肌がキレイになる」などと、女性誌ではよく特集が組まれます。 それこそ大豆ポリフェノールの一部は「植物性エストロゲン」とも呼ばれるほどで、豆腐は女性には格好の美肌食品。また、アメリカの研究者の間では、東洋の女性に乳がんが少ないのは豆腐をよく食べているからだとして豆腐の乳がん予防効果に注目する向きも多く、逆に近年では日本人の食の欧米化が乳がん発生率の増加を招いているともいわれます。

 その一方で、女性ホルモンにそれほど構造の似ている物質を、まだ小さな子どもがたくさん摂っていいものなのかと、危険怪を指摘する研究者もいます。個人差はもちろんあるものの、脳の機能にも男女差はあります。たとえば立体的・空間的な認知能力に関してはおおむね男性脳のほうが優れ、言語中枢に関しては女性脳のほうが発達していて、だからパイロットは男性に多く、通訳は女性に多いなどともいわれます。近年ではMRIやPETといったイメージング装置を使って生活脳の内部を映像化できるようになり、脳の 「男らしさと女らしさ」についても、より明確に解明されつつあります。

 まだ確証は得られていませんが、男性性と女性性がはっきり発現する前の子どもの脳に、エストロゲンとほぼ同じ構造を持つホルモン性物質が大量に与えられれば、その影響はいずれ脳の変化として現れてもおかしくないというのが、研究者の危供するところです。

 これはラットの実験ではありますが、生後から十日ほどの間、メスの赤ちゃんラットに男性ホルモンを投与し続けると、そのラットは大人になってからオスの行動パターンを示し、同じ時期にオスの赤ちゃんラットの精巣を除去すると成長後はメスの行動をとることがわかっています。ただし人間の場合は、母胎にいる間にほぼ性的な分化が確定するとされ、ラットとサ緒にはできないものの、少なくとも「第二次性徴」 (声変わりなど、十~十二歳ごろ) へ向けて性的にだんだん成熟していく時期の男児が、女性ホルモンに似た物質の影響をあまり強く受けるのは、やはり好ましいとはいえません。

 本来ホルモン性物質は体内でつくられるべきもので、食品やサプリメントで摂りすぎると、体内の分泌メカニズムが逆に損なわれる可能性があります。いくら美容にいいからといって豆腐ばかり食べていると、自前のエストロゲン分泌が疎かになりかねませんので、お母さん方はご注意を。子どもの場合はポリフェノールの弊害もあり、とくに男の子は大豆製品の摂りすぎには注意するに越したことはありません。

子どもにとって納豆はDNA修復作業を邪魔する要注意食品

12月 22nd, 2008

 大人にとってはカラダによく、しかし子どもにとってはあまりよくない食品はわりあいに多く、なかでもわかりやすいのが「納豆」です。

 納豆は、原料の「大豆」からして良質の植物性タンパク質を多く含み、たとえば朝食に言問添えるには理想的な食品のひとつ。豆腐ともども日本が誇る代表的健康食品です。

 ただ、これが子どもにとってとなると、実はいいことばかりともいえないのです。

 ネックとなるのが大豆に含まれる「ポリフェノール」。その含有量が、たとえば豆腐より多い納豆は、子どもにとっては有害とはいわないまでも、「要注意食品」となります。

 ポリフェノールは活性酸素を除去し、老化まで防止する、「抗酸化作用」が注目を集める健康ブームきっての超人気者。もとは植物の色や香りのもととなって虫を呼び寄せ、繁殖活動を促進したり、厳しい自然環境から強力な抗酸化能力で身を守るなど、植物が自分が生きるために備えた物質です。自然界には約八千種類ものポリフェノールがあります。

 人間はいわばその抗酸化能力の「おこぼれ」をいただいているわけですが、ポリフフェノールに関してはさらに、発ガン抑制、動脈硬化の予防、今話題のピロリ菌に対する殺菌作用なども報告されており、確かに大人には「カラダにいい」物質といえるでしょう。

 その一方で、あくまで「植物のため」に存在するポリフェノールには、鉄、亜鉛、カルシウムなどの「ミネラル類」 の吸収を抑制してしまう働きがあります。脳が出来上がっている大人はともかく、多くのミネラル分を必要とする脳の発達期にポリフェノールを摂りすぎると、その発育の妨げになる可能性があるのです。

 また、近年報告されているもので心配なのが白血病との関係です。人間のカラダには、地球に生きる限り常に活性酸素や紫外線によって傷つけられるDNAの傷の手当をする、数種類の「DNA修復酵素」が備わっています。とくに成長期にある子どもはDNAの増殖が盛んなぶん、修復工事も大忙しで、多くの修復酵素が必要です。その酵素のひとつ「トポイソメラーゼⅡ」の働きを大豆ポリフェノールが阻害することがわかったのです。

 つまり大豆ポリフェノールがこの酵素の働きをストップさせると、DNAの修復作業はうまく進まない。そして、幼ければ幼いほど傷つきやすい子どものDNAは手当されないまま放置される。その傷ついたDNAが白血病の発症につながるのではないかと懸念されているのです。小さな子どもには大豆は与えるべきではないと提唱する研究者もいるほどで、ある地方では豆乳を子どもに飲ませないよう運動しているグループもあるようです。